動詞から派生した準動詞は、名詞や形容詞、副詞として機能します。また、準動詞はその形態に応じて、動名詞、不定詞、分詞に分かれます。
このように、若干複雑な構造を持つ準動詞の働きを学ぶ際は、具体的な例文に触れることが大切です。
そこで今回は、準動詞の使い方について、使用する場面に重点を置いて例文を挙げながらご紹介します。
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動名詞には名詞しかない
名詞としての働きを持つ「動名詞」には、端的に言えば「~すること」という意味しかありません。
動名詞は、動詞の後の目的語や前置詞の後にくる名詞として、またときには主語としても使用することが可能です。
I like watching TV.
「私はテレビを見ることが好きです。」
I understood his lecture by reading his books.
「私は彼の本を読むことで、彼の講義を理解した。」
Laughing makes me happy.
「笑うことは私を幸せにする。」
ただし、動名詞を目的語として使用する際には、注意事項が2点あります。
一つは、動名詞しか目的語にできない動詞が存在する点です。
具体的には、enjoy「楽しむ」、finish「終える」、avoid「避ける」、practice「練習する」、mind「気にかける」、escape「逃げる」、give up「あきらめる」などが挙げられます。これらの動詞は、後述する不定詞を目的語にとることができません。
もう一つは、動名詞を使用した際と、後述する不定詞の名詞的用法を使用した際とで、英文の意味が異なる点です。以下の2つの文を見てください。
I remember bringing my umbrella.
「私は自分の傘を持ってきたことを覚えている(記憶がある)。」
I remember to bring my umbrella.
「私は自分の傘を持ってくることを覚えている(忘れていない)。」
上記のように、動名詞には過去の意味が含まれることがあります。
そのため、注意点を把握しないまま動名詞を使用すると、思いがけないミスにつながりかねません。
不定詞には用法がたくさん
不定詞とは、「to+動詞原形」をとる準動詞の形態です。
不定詞は、ケースに応じて、名詞、形容詞、副詞の3種類の働きを担います。
【1】名詞としての不定詞
名詞的用法の不定詞については、動名詞の場合とほぼ同じですが、3点注意があります。
・前置詞とは併用できない
・前述の通り、同じ用法でも動名詞と意味が異なる
・動名詞と同様、不定詞しか目的語にとれない動詞が存在する
動名詞を目的語にできない動詞としては、hope「望む」、plan「計画する」、wish「願う」、want「欲しい」、decide「決める」、promise「約束する」、expect「期待する」、agree「同意する」、refuse「断る」などが挙げられます。
I hope to be a baseball player in the future.
「私は将来、野球選手になりたい(~になることを望む)。」
【2】形容詞としての不定詞
不定詞が形容詞として機能する場合は、名詞の後に不定詞が続きます。また、修飾を受ける語が不定詞の意味上の目的語となる場合には、主に「~するべき」と訳されます。
I have a lot of homework to do.
「私にはやるべき宿題がたくさんある。」
something to drink(eat)
「飲み物(食べ物)」
【3】副詞としての不定詞
副詞として機能する不定詞は、文頭に置かれ副詞句の終わりにコンマがつけられるか、文末に置かれます。
To get on a train, I ran to the station. / I ran to a station to get on the train.
「私は電車に乗るために駅まで走った。」
分詞は「する」「される」の関係で使い分けよう
分詞の用法には、形容詞的な働き、そして副詞的な働きの2種類があります。
さらに、「修飾される名詞」と「修飾する動作」の関係性によって、分詞が「ing型」、もしくは「過去分詞型」の内、どちらの形態をとるかが決まります。
また、分詞が形容詞として働くことを「後置修飾」、対して副詞として働く場合を「分詞構文」と呼びます。以下、この「後置修飾」「分詞構文」の働きに着目しつつ、それぞれの例文を見ていきましょう。
【1】後置修飾
分詞が名詞について後ろから説明する後置修飾の場合、修飾される名詞(A)と分詞である動詞(B)の関係について、「AがBしている」際はing型、「AがBされている」際は過去分詞型になります。
1. 後置修飾「BしているA」場合
A girl wearing green is under the tree.
「緑の服を着ている少女が木の下にいる。」。
2. 後置修飾「BされているA」場合
I read a book published in 1900’s.
「私は1900年代に出版された本を読んだ。」
【2】分詞構文
主節における主語が、分詞句における意味上の主語と一致している場合の分詞は、以下の意味を持ちます。
・「~しているため(理由)」
・「~していると(時)」
・「~したならば(条件)」
・「~しているが(譲歩)」
・「~した結果(結果)」
・「~しながら(付帯状況)」
なお、分詞構文中の動詞の形態についても、後置修飾の場合と同様、主節の主語(A)と分詞である動詞(B)の関係が「する」か「される」かの違いによって変化します。
1. 分詞構文「AがBしているため」の場合
Living in a big city, he sometimes wanted to visit the countryside.
「彼は大きな街に住んでいるため、時折田舎を訪れたくなる。」
2. 分詞構文「AがBされているため」の場合
Painted white, the building looks bigger.
「その建物は白く塗られているため、より大きく見える。」
おわりに
準動詞の動名詞・不定詞・分詞について、実際に例文を挙げながら活用方法や注意点についてご紹介しました。
今回解説した事項は準動詞の基本中の基本であり、英語を理解する上で重要となる知識です。この機会にしっかりと把握しましょう。
また、覚えたルールを用いて、ご自身で簡単な作文を行うことにより、知識の定着も一段と速くなります。ぜひ実践してください。

スタディ・タウン学び情報局 編集部

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