英語学習に際して、「単語は読めるけど聞き取ることができない」「リーディングほどリスニングの成績が芳しくない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
聞き取りにおける弱点を解消するためには、知らない単語を辞書で調べるごとに、その単語の発音についても音声を通して確認することをおすすめします。
また、正しい発音を耳からの情報だけでつかみ取ることは容易ではありません。そのため、発音する際の口の形や音の出し方に関する情報が詰まった「発音記号」にも目を通し、視覚的かつ理論的に正確な読み方を把握することも大切です。
そこで今回は、発音記号を用いて正しい単語の読み方を身に付けるコツについて、ご紹介します。
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発音記号の読み方が分からない!
各種発音記号の中には、慣れ親しんだローマ字ではなく、特殊文字で記述されたものもあります。そこで以下では、特にそのような特殊文字で表される発音の覚え方について、詳しくご説明します。
ビジュアルで覚える母音編
母音となる特殊な発音記号には、「ӕ、ɑ、ʌ、ə、ɔ」の5つが挙げられます。これらの発音を覚える際には、文字の形、つまり「ビジュアル」に目を向けることが大切です。以下に図式化します。
【1】「ӕ」=「a」+「e」
「ア」を発音する口で「エ」と言います。
【2】「ɑ」=「a」+「o」
「ア」を発音する口で「オ」と言います。
【3】「ʌ」=「v(弱いウ)」+「A」
弱い「ウ」を発音する口で「ア」と言います。
元来アルファベットの「u」という文字は「v」から派生しています。それは前者の「ウ」という発音が後者の「ヴ」という音に似ていることからも伺えます。すなわち、ここで言う「v」は「u」に近い発音だと覚えてください。
【4】「ə」=「e」+「a」
「エ」を発音する口で力を抜いて「ア」と言います。
【5】「ɔ」=「o」の一部をカットして開ける
「オ」を発音する口よりもっと大きく開いて「オ」と言います。
以上、母音の特殊な発音記号について、簡潔にご紹介しました。
上記の説明では「a、i、u、e、o」のローマ字母音を代用していますが、あくまで覚えやすくするための工夫であり、厳密には多少の違いがでてきます。しかし、漢字の成り立ちをなぞる際と同様、特殊な母音の発音記号もビジュアルで覚えることで、発音のイメージが定着しやすくなります。
ペアで覚える子音編
ローマ字とは異なる文字で表記される子音には、「ʃ、ʒ」、そして「θ、ð」があります。また、今回は「ʃ、ʒ」の派生形である「tʃ、dʒ」の発音も加えてご紹介します。
上記6つの特殊な発音記号は、括弧でくくって表した通り、3組のペアとなっています。また、そのペアは清音と濁音から構成されていることも特徴です。以下、ペア毎に解説します。
【1】「ʃ、ʒ」のペア
「ʃ、ʒ」のペアは、前者が「シャ」行の発音、後者がその濁音である「ジャ」行の発音を表します。
ここで注意するべきは、日本語の「シ」という発音は発音記号の場合「si」ではなく、「ʃi」と表される点です。ちなみに「si」は正しくは「スィ」と発音されます。
【2】「tʃ、dʒ」のペア
「tʃ、dʒ」のペアについては、前者が「チャ」行の発音、後者がその濁音である「ヂャ」行の発音を表します。併せて、「ʃ、ʒ」と同様に、「t、d」も清音・濁音のペアにあると覚えましょう。
ここでも日本語の「チ」という発音は発音記号では「ti」ではなく「tʃi」と表されます。また「ti」は「ティ」と発音されます。
【3】「θ、ð」のペア
「θ、ð」のペアはどちらも、歯の間から最後に息を漏らすような発音を表します。単語内ではどちらも「th」の文字列を持っているため、両者の違いは発音記号を見るまで分かりません。
「θ」は先述の通り、上下の歯の間に舌を軽くつけて「スー」と息を漏らすようにして発音します。また、「ð」は「θ」の濁音であり、「ズー」を息を漏らすようにして発音します。ここで注意したいことは、「スー」や「ズー」という記述はあくまでイメージであり、本来このペアの発音には声を伴いません。息を漏らすだけ、という点がポイントです。
【4】「j」と「ŋ」
また、短い「イ」に近い音の「j」、さらに舌の根本を上あごに付けた「ン」の発音である「ŋ」についても、ローマ字にはない表記の子音です。ペアではありませんが、この機会に覚えてしまいましょう。
発音記号だけに頼らない
発音記号は、単語の発音を可視化する非常に便利なツールです。しかし、その便利さにかまけて、英語学習に重要な「聞く」練習を怠りがちになってしまう方も少なくありません。
あくまでも、発音記号は「CDからの聞き取り学習の補助」という役割にあることを忘れないでください。音声を聞いて自信がない発音を確かめるためや、自分で音読練習するために使用しましょう。
おわりに
リスニング対策として発音記号を覚える際のポイントをご紹介しました。
冒頭でも述べた通り、発音記号を活用することにより、CDを聞いただけでは理解できない発音時の口の形や、舌の使い方について理論的に把握することができます。
よりネイティブに近い英語を手に入れるためにも、「耳で聞いて、口で発音する」反復練習の中に、「目で見る」発音記号を取り入れてみましょう。
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スタディ・タウン学び情報局 編集部

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