イヤホンやヘッドホンを使用して音楽を聴きながら勉強することは、今や一般的となっています。一昔前であれば、「何かをしながら勉強するなんてもってのほか!」という意見もありました。自分の子供が音楽を聴きながら勉強している場合、止めるように注意した方が良いのでしょうか。受験生の子供を持つ親にとっては迷ってしまうこともあるでしょう。
音楽は勉強に効果があるのでしょうか。それとも邪魔になるのでしょうか?この記事では、音楽と勉強についての考え方をご紹介します。
音楽が脳に与える影響
音楽を聴くことは、人間の脳の働きに大きな影響を及ぼします。好ましい影響と考えられているのが、「リラックスできる」「集中力が増す」といった効果です。
音楽の持つこのような特性はさまざまな分野で注目され、活用されています。例えば、ある企業では社員の業務効率向上を図るため、社内で音楽をかけています。また医療の分野では、手術中に医師や看護師の緊張をほぐし、集中力を持続させるために音楽が流されていることもあるようです。さらに、精神疾患の治療やリハビリなどにも効果が認められています。
脳の研究では、音楽を聴くことで脳波の中にα(アルファ)波が多く現れることが発見されました。α波は、リラックスした状態や意識が覚醒した状態で観察されます。このことから、音楽は勉強や仕事に対する集中力を持続し、作業効率をアップさせることができると期待されているのです。
音楽は勉強に効果的?
音楽を聴きながら勉強することには、どのような効果があるのでしょうか。
まず、勉強に対する抵抗感を和らげてくれます。心地良い音楽を聴くことで、自然と勉強に臨むことができるようになるでしょう。
そして最も期待される効果は、前項でもご紹介した通り、精神的にリラックスして集中力を高め、さらにその集中力を持続しやすくすることです。このような効果により、勉強の効率が上がると言われています。
また、雑音をシャットアウトする効果もあります。
ただし、選ぶ音楽によっては悪い影響を及ぼしてしまうことも考えられます。例えば好きな音楽を聴くことで、勉強よりもその音楽の方へ意識が向いてしまうこともあるのです。このような場合、いくら勉強しても内容が頭に入ってきません。
もう1つの大きな問題は、自分の声が聞こえなくなることです。例えば英語の勉強では音読の大切さは常識となっていますが、音楽を聴きながらではそれができなくなってしまいます。
やみくもに音楽を取り入れるのではなく、そのメリットとデメリットを把握して活かすことが大切です。
勉強に効果的な音楽のジャンルとは?
どのような音楽が勉強に効果があるのか、というのは一概には言えません。勉強する本人が好きな曲で、なおかつリラックスできるものならジャンルは問わないという意見が多いようです。
しかし音楽に気を取られすぎては意味がないため、歌詞のない曲の方が良いと言われています。そういった意味では、古典やバロックなどのクラシックやヒーリングミュージックはおすすめです。また、よほど英語が得意ということでなければ洋楽でも良いでしょう。
先にご紹介した、α波を出現させやすい音楽と言われているのはクラシックです。ハーバード大学や京都大学の研究では、特にモーツァルトの音楽が効果的であると発表されています。
勉強に向かう受験生一人一人が、自分のリラックスできる音楽、積極的な気分になれる音楽、疲れず集中力を持続させる音楽を探すことが大切です。親はその手助けをしてあげると良いのではないでしょうか。
おわりに
音楽を聴きながら勉強することは、決して効率を悪くするだけのものではありません。音楽の持っている特性と自分との相性をきちんと把握すれば、大きな成果を生むことができるのです。
ただし、音楽に頼りすぎてしまわないよう注意することも必要です。なぜなら、試験中に音楽を聴くことはできないためです。音楽を聴かないと集中できないという程音楽に頼ってしまっていては、試験本番で実力を発揮できないかもしれません。
受験に取り組む子供には、普段からリラックスして勉強に集中してほしいというのが親としての願いではないでしょうか。その願いを実現するためには音楽が一役買ってくれるはずです。この機会に、勉強に音楽を利用することについて親子で一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

スタディ・タウン学び情報局 編集部

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