開成・麻布・武蔵の3つの中学校は、日本の中学受験における男子御三家と呼ばれています。
この男子御三家に通う生徒の多くは、国内や海外の有名大学を目指し、日々勉学に励んでいます。いずれも名門として名だたる学校であるため、入学を狙う場合には、各校の特徴や入試傾向の違いを掴んでおくことが大切です。
そこで今回は、男子御三家のそれぞれの特徴と入試情報について、ご紹介します。
開成中学校の特徴と入試情報
東京都荒川区西日暮里にある開成中学校は、1871年に創立されました。
開成中学校は「知性・自由・質実剛健を重んじ基礎学力を養成」することを目的としており、ペンと剣をモチーフとしたデザインを校章として採用しています。
授業においては、各教師が手作りで作成した自主教材やプリントが多用され、短時間で効率的に知識を付けるための独自のカリキュラムが実施されています。また、生徒の自主性や責任を尊重している点も、この中学校の大きな特徴です。文化祭や修学旅行などについて各生徒に運営を任せている他、習熟度別の学級編成なども行われません。
開成では、勉学だけではなく、社会に出てから必要な自発性を鍛える教育も重視されているのです。
開成中学校の定員は300名であり、入試は国語・算数・社会・理科の4教科です。
国語では小説と随筆の2題が出題されます。設問はすべて記述解答形式のため、受検者にとっては読解力のみならず文章力も問われる内容です。
算数では計算力や処理能力、理科ではグラフ作成能力などが求められます。また、社会のテストについては、合格するために約8割の正答率が必要であると言われています。
麻布中学校の特徴と入試情報
東京都港区麻布にある麻布中学校は、1895年に創立されました。「仲間を大切にしながら豊かな人間性をはぐくむ」ことを目的としている学校であり、自由闊達な校風が特徴です。
授業においてはレポート課題が出される教科が多く、定期試験や実力試験でも記述問題が多く出題される傾向にあります。授業においては「書かせる教育」が一貫して実践され、卒業時には国語の共同卒論課題の提出が求められます。
麻布中学校の定員は300名であり、入試試験は4教科です。
国語に関しては100字を超える記述問題も出題されるため、読解力や文章力が求められます。
また、大問6題から構成される算数では、各受験者の応用力を問うべく、毎年幅広い分野から難問が出題されます。
武蔵中学校の特徴と入試情報
東京都練馬区豊玉上にある武蔵中学校は、1922年に創立されました。
武蔵中学校は、
- 東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物
- 世界に雄飛するにたえる人物
- 自ら調べ自ら考える力ある人物
の3つの理想を掲げており、服装や行動などに関し、生徒を規制する校則が少ないことで有名です。
武蔵中学校では、生徒一人一人の理解度を高めることを目指し、1クラスを2つに分割し少人数授業を行っています。また、中学3年生になると、第二外国語を週に2時間学ぶ点も特徴です。
定員は160名であり、入試は国語・算数・理科・社会の4教科です。国語や理科では記述問題が多く見られ、算数では式や説明も書かせるなど、全試験において文章力や論理的思考力が求められる傾向にあります。
おわりに
男子御三家の特徴や入試情報についてご紹介しました。いずれの学校も生徒の自主性を重視し、子ども自らが考え、行動する精神を重視しています。
ご紹介した御三家に限らず、学校によって校風や授業の内容、入試の傾向などが異なります。今回の記事もご参考に、子どもの将来の目的や得意分野に合わせ、どの学校を選ぶべきか十分に検討してください。

スタディ・タウン学び情報局 編集部

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