私立中学校の中にはミッションスクールと称される学校が少なくありません。しかしミッション系という言葉からキリスト教系の学校だということは分かるものの、その内実を詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、ミッション系、特にカトリック系の学校の特徴、及びメリットについてご紹介します。
ミッション系とは?
ミッション系学校はキリスト教主義学校とも言われ、キリスト教の教えに基づいた教育理念を掲げ、運営されている学校のことを指します。学校の管理・運営者をキリスト教に関係がある組織や関係の深い人物が行っており、聖書やキリスト教の考えを教え、キリスト教の年間行事を行い、キリスト教の考えを広めることを目的としています。
これらのキリスト教主義学校は、キリスト教の伝道を目的とした伝道局(ミッションボード)により設立されたことから、伝道局から独立した今でも「ミッションスクール」もしくは「ミッション系」と呼ばれています。このようなミッションスクールは、明治期において女子教育に大きな役割を果たしました。
日本最古のミッションスクールは、1870年(明治3年)に設立されたフェリス女学院です。ミッションスクールには、プロテスタント系の学校とカトリック系の学校がありますが、フェリス女学院はプロテスタントの学校です。女子御三家でもある女子学院中学はプロテスタント、雙葉中学校はカトリックのミッション系中学校です。
ミッション系中学校の特徴
授業も普通の公立の中学校とは違い、聖書の授業があることが最大の特徴です。校内に教会(チャペル)を備えている学校も少なくありません。カトリックとプロテスタントの学校とで大きな違いはないものの、若干の違いがあります。
例えば、プロテスタントと比較して、カトリックの学校では毎朝礼拝を行うことが少ない、生活指導が厳格であると言われます。建学母体がフランスのカトリック系の学校ではフランス語の授業が行われることもあります。
また、ミッション系の学校の中には、幼稚園から大学までを有する学校もあり、エスカレーター式で大学まで進学することができるメリットがあります。有名なミッションスクールとしては、青山学院(プロテスタント)や立教大学(プロテスタント)、南山大学(カトリック)などが挙げられます。
ミッション系中学校のメリット
ミッション系中学校のメリットの1つは宗教教育です。ミッションスクールでは、中学・高校という人格形成に大切な時期にキリスト教に触れることで、自分の視野を広げたり、他者を思いやる気持ちを養ったりできます。また、人を思いやる気持ちを育むことができます。
もう1つのメリットは徹底した英語教育です。ミッション系中高一貫校では、ハイレベルな英語テキスト『プログレス・イン・イングリッシュ』(Progress in English)を授業で使用する学校もあります。このテキストをこなすことにより文法力や読解力を向上させ、難関大学合格に必要な英語力を身に付けることが可能です。
おわりに
今回はミッション系中学校の特徴及びメリットについてご紹介しました。スタディ・タウンにもミッション系中学校に特化した過去問対策が用意されているため、受験をする際にはぜひ参考にすると良いでしょう。
ミッションスクールと言っても、その学校に通う生徒や保護者全員がキリスト教を信仰しているわけではなく、宗教教育の熱心さも学校により異なるようです。しかし、ミッションスクールにおけるキリスト教に基づく教育は、子供の人格形成の一助となることは間違いありません。情操教育等に関心をお持ちの方は、ミッションスクールの説明会に足を運んでみてください。


スタディ・タウン学び情報局 編集部

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