英語学習をしている方ならシャドーイングを実践したことがある方も多いと思います。英語力の向上にかなりの効果があることが知られているシャドーイングですが、実際に行ってみて難しいと感じた方も多いのではないでしょうか。そこで、シャドーイングを実践する前のトレーニングとして「オーバーラッピング」を行うことをおすすめします。今回は、オーバーラッピングについてご紹介します。
オーバーラッピングの利点
どんな難易度の音声であってもテキストさえあれば学習に役立てることができる点がオーバーラッピングの利点です。音声の英文を影のように後ろから追いかけるシャドーイングに対し、オーバーラッピング(over 上から + wrap 包む)はその名の通り聞いた音声に被せるようにして同時に発音する学習法です。音声と同時に発音するため、テキストを見ながら行います。シャドーイングは耳で聞いた音だけを頼りにし、テキストを見てはいけないため、オーバーラッピングの方が難易度は低めです。
オーバーラッピングはスピーキング力とリスニング力の向上に効果があります。オーバーラッピングを行う際は、できるだけ音声のアクセントやイントネーションを真似る必要があります。加えて、同時に発音するため、音声の正しい発音と自分の発音の違いが明確に分かります。その結果正しい発音が身に付き、聞き取る能力も向上するのです。
また、オーバーラッピングでは、音声を「耳」で聞き、テキストを「目」で読み、「口」で発音します。このプロセスを踏むことで、英単語の定着率が向上すると言われています。というのも、感覚器官を多く働かせれば働かせるほど、記憶はより強固になるためです。単語帳とにらめっこをして黙々と英単語を覚えるよりも、確実に効率良く覚えることができるでしょう。
オーバーラッピングの注意点
英語学習に効果の高いオーバーラッピングですが、注意すべき点もあります。
1つは視覚の情報に頼りすぎてしまうことです。音声の発音を意識せずに、テキストの文章をいつも通りの発音で読んでしまっては、正しい発音は身に付きません。
もう1つは、ただ口を動かすだけで英文の意味や文構造などを意識しないことです。もちろん、ただオーバーラッピングするだけでも英語の聞き取り能力や発音自体は向上しますが、英文の意味を同時に理解できなければ、英会話などで困ります。
オーバーラッピングの効果的なやり方
オーバーラッピングの注意点を踏まえた上で、効果的に実践する方法をご紹介します。
(1)なるべく簡単で短いテキストを用意する
(2)日本語を読む
(3)英文を音読する
(4)オーバーラッピングを複数回行う
以上を1セットとして同じ文章を何セットも行ってください。記憶するくらい繰り返すと良いでしょう。オーバーラッピングをする際は、意味を意識しながら読むことが大切です。
テキストのレベルは徐々に難しく長くしても構いませんが、ほぼ完璧にオーバーラッピングできると感じてから次のテキストに進みましょう。最初は1つのテキストに時間が掛かるかもしれませんが、次第に速度も上がります。
おわりに
オーバーラッピングは英語力の向上に効果のある学習法ですが、実践してすぐに効果を実感できるわけではありません。こつこつと継続することが大切です。また、オーバーラッピングに慣れてきた方はシャドーイングにも挑戦しましょう。その際、最初は初見のテキストでは行わずに、オーバーラッピングの練習で用いたテキストを用いて「オーバーラッピング→シャドーイング」の順で実践してください。シャドーイングに入りやすくなるためおすすめです。この記事を参考にし、さらなる英語力の向上を目指してぜひオーバーラッピングに取り組んでください。
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スタディ・タウン学び情報局 編集部

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