2015.06.22大学受験

優性遺伝子?劣性遺伝子?メンデルの遺伝の法則を徹底解説

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メンデルの法則高校生物において、「遺伝」は最初に学習する範囲でありながら、入試問題にまで幅広く活用される重要な単元です。中でも「メンデルの法則」は遺伝分野の入口とも言われており、この法則を理解することなしに先へ進むことはできません。メンデルの法則は、さらに「優性の法則」「分離の法則」「独立の法則」の3つの法則に分かれています。

今回は、メンデルの法則における優性・分離・独立の3つの法則を解説します。

 

【優性の法則】片方の形質だけが残る?

優性の法則植物において、花弁が赤い、豆の表面にシワがあるといった遺伝的特徴は「形質」と呼ばれています。しかし個体それぞれの形質は、子に完全に受け継がれるわけではありません。消えてしまう形質もあります。

仮に、同じ種類で黄色の花を咲かせる植物と、青い花を咲かせる植物があるとします。この2つを交配したところ、黄色の花しか咲かないという現象が起こる場合があります。このような場合、黄色の花は「優性遺伝子」、青色の花は「劣性遺伝子」とされます。

遺伝子型を簡単に表す際、優性遺伝子は大文字のアルファベット、劣性遺伝子は小文字のアルファベットで記載することが一般的です。ここでは優性遺伝子である黄色の花をAA、劣性遺伝子である青い花をaaと記載します。

黄色の花と青い花を交配した場合の結果は、以下のように表されます。

 

黄色の花(AA)×青い花(aa)→黄色の花(Aa)

 

1つの個体に優性遺伝子と劣性遺伝子が存在する場合、優性遺伝子が持つ形質が現れます。これを「優性の法則」と言います。

「優性」や「劣性」といった表現は、個体が優れているか否かを表しているのではなく、形質が現れやすいかどうかを示しているため、勘違いしないよう注意してください。

 

【分離の法則】ペアの形質遺伝子は減数分裂でバラバラに

分離の法則植物や動物は、生殖細胞を作る際に「減数分裂」を行います。減数分裂とは染色体の数細胞分裂の過程で半減する現象で、生殖細胞が形成される際に発生します。この影響で、対になっていた形質遺伝子も2つに分かれます。そしてその後、バラバラになった形質遺伝子が新たに組み合わさります。

具体的に、優性の法則を説明した際の黄色の花(Aa)を2つ用意して交配させてみましょう。

 

 

黄色の花(Aa)×黄色の花(Aa)→A・a×A・a

 

この結果A・a・A・aがそれぞれ組み合わさり、黄色の花(AA)・黄色の花(Aa)・黄色の花(Aa)・青い花(aa)が生まれます。

このように、Aとaなどの対の形質遺伝子が、減数分裂に際に分離して次の代に受け継がれることを「分離の法則」と言います。先ほどの例では、形質が分離した結果劣性遺伝子aも分離しました。そのため黄色の花を2つ交配させても青い花(aa)が咲くのです。

分離の法則に基づくと、「優性形質が現れる個体:劣性形質が現れる個体=3:1」の割合がキープされることを覚えておきましょう。

しかし、これまでにご紹介した「優性の法則」と「分離の法則」にも例外があります。例えば朝顔の場合、赤い朝顔は遺伝型AA、白い朝顔は遺伝型aaで表現されます。しかし遺伝型Aaは赤い朝顔にはならず、ピンクの朝顔を咲かせます。

このように、優性遺伝子と劣性遺伝子が1つの個体に存在しながらどちらの形質も現れず、別の形質が現れることを「不完全優性」と言います。この場合、分離の法則に基づく「優性形質個体:劣性形質個体=3:1」の割合も崩れることに注意しましょう。

 

【独立の法則】2種類の形質は競合しない!3:1の割合はキープ

独立の法則これまでは、形質が1対しかない例を取り上げてきました。それでは遺伝形質が2ペアになると、生まれる個体にはどのような影響を及ぼすのでしょうか。

ある種の豆について、表面が黄色(Y)、表面が緑色(y)、表面にシワがない(G)、表面にシワがある(g)という形質を持つ2つの個体を交配させてみましょう。

 

黄色でシワなし(YYGG)×緑色でシワあり(yygg)→黄色でシワなし(YyGg)

 

上記の場合、優性の法則に基づいて優性遺伝子の形質しか現れません。それでは、このYyGgの個体を自家受精させるとどのようになるでしょうか。

 

黄色でシワなし(YyGg)×黄色でシワなし(YyGg)→黄色でシワなし、黄色でシワあり、緑色でシワなし、緑色でシワありの4パターン

 

これらの4パターンの遺伝型は、下記のようにさらに細分化されます。

 

・黄色でシワなし(YYGG、YyGG×2、YYGg×2、YyGy×4)の9パターン

・黄色でシワあり(YYgg、Yygg×2)の3パターン

・緑色でシワなし(yyGG、yyGg×2)の3パターン

・緑色でシワあり(yygg)の1パターン

 

遺伝型YyGgの個体からは、減数分裂でYG・Yg・yG・ygの4種類の生殖細胞が作られる可能性があります。これが他の個体でも同じように作られるため、2つをかけ合わせると全部で9種類の遺伝子型と4種類の表現型の個体が生まれます。一見複雑そうに見える結果ですが、1つの形質のみに注目してみるとどのようになるでしょうか。

 

黄色:緑色=(9+3):(3+1)=3:1

シワなし:シワあり=(9+3):(3+1)=3:1

 

このように、見事に分離の法則に基づいて3:1の割合をキープしています。異なる2つ以上の形質が対立する場合、2つの形質は組み合わさることなく独立して遺伝します。この法則を「独立の法則」と言います。

 

おわりに

以上、メンデルの法則について優性の法則・分離の法則・独立の法則の3つに分けて解説しました。遺伝の分野では、この他にも3組の形質遺伝を扱う問題や、遺伝子地図に関する問題が出てきます。しかし問題が一見複雑そうに見えても、根底にある法則はこのメンデルの法則だということを忘れないでください。

 

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スタディ・タウン学び情報局 編集部

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