2015.05.24大学受験

大学入学を辞退したら納入済みの入学金・学費は返還される?大学入学金の納入期限と返金問題

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大学入学金受験生の子どもを持つ親にとって、受験費用と同様に、大学入学にかかる費用も大きな関心事の1つと言えるでしょう。

大学入学時には、授業料の他にも入学金を支払わなければなりません。授業料と入学金の合計金額の平均は、国立大学であれば約80万円、公立大学は約90万円、私立大学文系は約115万円、私立大学理系は約150万円、私立大学医学・歯学系は約470万円です。合格が決まり、これら入学金と授業料を大学に納めればひと安心です。

しかし、もしも「別の大学も合格」との知らせが入った場合はどうでしょうか。最初に決まった大学が目標であれば問題ありません。しかし、後から合格が決まった大学が第一志望であった場合は、当然そちらの大学への入学手続きを行うことになるでしょう。その場合、はじめに合格した大学は入学辞退ということになりますが、納めてしまった入学金などは戻ってくるのでしょうか。今回は、大学入学金の納入期限と返金問題について、ご紹介します。

入学を辞退した場合、支払った入学金・授業料は戻ってくるか?

入学金・授業料の返還多くの場合、入学金は戻ってきませんが、授業料は返還される可能性があります

入学金などの返還について、過去にも多くの訴訟が起こされています。

かつては、大学側は一旦納められた学納金(入学金や授業料など)はいかなる理由があっても返還しないとしていました。しかし、2001年に「消費者契約法」が施行されると事情が変わってきました。消費者契約法とは、事業者が一方的に定めた違約金など、消費者が一方的に不利益を被ることを防ぐための法律です。

2006年11月に最高裁判所で下された判決では、入学金返還について「入学辞退の時期を問わず、一般的に返還請求はできない」とされました。一方授業料については、「授業という大学からのサービスを受けないことになるため、当然返還請求は可能」との判決が下されました。また、大学側で「納めた授業料は返還しない」という特約事項がある場合でも、「その年の3月31日までに入学を辞退した場合は、返還請求が可能」としています。

ただし、一般入試ではなく推薦入学やAO入試などの特別な方法で合格した場合、もともと学生にとって有利な条件で早い時期に入学が確定することとなります。そのため、入学を辞退した場合は入学金も授業料も返還請求できない可能性があるようです。

 

入学金と授業料の違いは?

入学金と授業料の違い

 

 

何故入学金は返還されず、授業料は返還されるのでしょうか。

入学金は「その大学に入学できる地位の対価」と定義されています。また、入学金が支払われれば、大学側も学生の受け入れ準備をしなければなりません。その労力の対価と考えることもできるでしょう。このような理由から、入学金を大学に支払い、その大学に入学する地位を取得した時点で返還請求はできなくなると考えられています。

 

それに対し、授業料は「大学からの教育役務(授業など)を受ける対価」とされています。入学を辞退した場合、当然授業を受けることはありません。そのため「教育役務の対価」は不要であり、返還請求できることになるのです。

しかし4月1日を過ぎて大学が始まってしまえば、当人が授業を受ける・受けないに関わらず、教育役務に対する対価が発生し、返還請求ができなくなるため注意が必要です。

 

各大学による違いは?

大学による違い一般的には、これまで述べてきたように、入学を辞退した際に入学金が戻ってくることはありません。しかし授業料については戻ってくる可能性があると言えます。ただし、大学によってはさまざまな規定が独自に定められていることがあります。

多くの大学では、大学の定める期間内に入学辞退を申し入れた場合には、入学金以外の学納金を返還すると規定しています。また、手続きと入学金などの支払いを2段階で行っている大学もあります。他にも、一定期間内であれば入学金を返還すると定めた制度を設けている大学も存在します。入試に臨む際には、受験する大学の入学手続きや学納金の支払いについても十分に調べておくことが大切です。

 

おわりに

受験生の子どもを持つ親であれば、誰もが子どもの受験を応援することでしょう。また、子どものことを思い、合格した大学があれば志望校以外の大学であってもひとまず入学手続きを進め、学費を支払うこともあるかもしれません。

もし手続きを済ませた後で他の大学へ入学することになった場合、必ず早い段階で入学辞退を申し入れ、入学金以外の学納金の返還請求をしましょう。早い時期であれば入学金が戻ってくる場合もあります。

また、大学受験に臨む際には、あらかじめ入学手続きの時期や合格発表の時期などを調べ、子どもと一緒にスケジュールを確認することも大切です。

 

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スタディ・タウン学び情報局 編集部

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